近年電気自動車などが普及するにつれ、パワー半導体の需要が急速に高まっています。
中でもSicを利用したSicパワー半導体を取り入れる企業が、加速度的に増えている状況です。
そこで今回はSicパワー半導体とはどんな半導体なのかを、詳しく解説いたします。
この記事をご覧いただき、Sicパワー半導体の特徴をご確認ください。
Sicパワー半導体とは?
Sicパワー半導体は、Sicと呼ばれる「炭化ケイ素」を使用した半導体です。
現在一般的に広く利用されているのは、Si(シリコン・ケイ素)を利用した半導体ですが、性能が向上した半導体が、Sicパワー半導体です。
Sicパワー半導体はどんな場面で使われる?
Sicパワー半導体が注目されている理由は、今後の世の中でSicパワー半導体の需要が急速に広がると見られているからです。
一体どんな場面でSicパワー半導体は利用されるのかを、いくつか具体的に見ていきましょう。
電気自動車のパーツに利用される
Sicパワー半導体は、電気自動車のパーツにも利用されています。
各自動車メーカーはガソリン車から電気自動車に移行しつつあり、今後Sicパワー半導体の需要は確実に高まると見られています。
太陽光発電や風力発電などの発電機器
Sicパワー半導体は、太陽光発電や風力発電などの発電機器にも利用されるパーツです。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、世界中で導入が広がっています。
また今後もさらに拡大すると見られているので、併せてSicパワー半導体も需要が高まっていくはずです。
ロボットや工作機械
Sicパワー半導体は、ロボットや工作機械にも利用されています。
日本では、人口減少による労働力の減少が今後ますます激しくなるでしょう。
そのようなときに、需要が拡大するのはロボットなどの工作機械です。
ロボットの増加に伴って、Sicパワー半導体も需要が高まると考えられます。
データセンターのUPS
Sicパワー半導体はデータセンターのUPSにも利用されます。
AI技術が世界中に広がっていく中で、データセンターの位置づけは非常に重要になってきています。
そんなデータセンターの管理にもSicパワー半導体は欠かせないパーツなので、今後の需要増加は必須だと言えるでしょう。
Sicパワー半導体利用するデメリット
とはいえ、Sicパワー半導体を製品に導入するのはいくつかのデメリットがあることも確かです。考えられる代表的なデメリットをいくつか挙げていきます。
- 価格が高額になりがち
- 製造に特殊な技術が必要
価格が高額になりがち
Sicパワー半導体はSiを利用したパワー半導体と比べて、価格が高額になりがちなのがデメリットです。
Sicパワー半導体は、Siパワー半導体よりも高品質・高性能なので、価格が高くなるのは否めないでしょう。
しかし、価格の面を考慮しても、高品質・高性能なSicパワー半導体は、今後の半導体業界で需要が高まることは間違いありません。
製造に特殊な技術が必要
Sicパワー半導体は製造するのに特殊な技術が必要です。
Sicパワー半導体はある一定の製造ノウハウを確立している企業でなければ、作ることが出来ません。
Sicパワー半導体を製造出来る企業が限られていることも、Sicパワー半導体を導入する際のデメリットだと言えるでしょう。
Sicパワー半導体を利用するメリット
一方で、Sicパワー半導体を導入することで、さまざまなメリットが得られます。主なメリットを具体的に3点紹介します。
- 耐圧性が上がる
- 動作速度が上がる可能性がある
- 高温環境にも耐えやすくなる
耐圧性が上がる
Sicパワー半導体はSiパワー半導体よりも耐圧性が高いという特徴があります。
高い電圧がかかっても壊れにくいので、より高い電圧を処理でき、多くの場面での活用が可能です。
動作速度が上がる可能性がある
Sicパワー半導体を利用することで、製品の動作速度が上がる可能性があります。
高電圧や大きな電流も問題なく処理してくれるので、これまで耐えられなかった処理も難なく行いやすくなるでしょう。
性能が高いパワー半導体を導入することで、製品自体のコンパクト化にもつながるとされています。
<h3>高温環境にも耐えやすくなる</h3>
Sicパワー半導体を導入することで、高温環境に耐えやすくなるのもメリットの1つです。
Sicは通常のSiと比べて、熱伝導率が3倍以上も優れていると言われています。
そのため、高温下でも問題なく動作しやすく、製品が誤作動しにくくなるでしょう。
Sicパワー半導体とは?のまとめ
今回はSicパワー半導体とはどんな半導体なのかを、詳しく解説してきました。
Sicパワー半導体は非常に優れたパワー半導体で、今後確実に需要が高まると予測されています。
金沢機工では高品質なSicパワー半導体を提供する技術力を備えていますので、Sicパワー半導体の導入をお考えの場合は一度お気軽に相談ください。
より高品質な製品の製造に、役立つはずです。