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SiCウエハの利用方法とは?パワー半導体についても解説

2023.07.04

半導体事業

パワー半導体の材料として近年注目されているのがSiCウエハ(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)です。

 

実際にSiCウエハを活用するためには、利用方法や材料としての特徴を理解しておく必要があります。

 

SiCウエハは従来のSIウエハよりも電力損失を抑えることができ、性能が向上しているのが特徴です。

 

本記事では、SiCウエハについて、主な利用方法や市場動向、購入先などを紹介します。

 

本記事を読むことでSiCウエハの特徴や現状について理解を深められるでしょう。

 

SiCウエハの概要

SiCウエハとは、ケイ素(Si)と炭素(C)により構成される化合物半導体材料のことです。

 

ウエハとは薄く平たい形をした半導体素子製造に用いられる素材であり、従来はSiウエハが使われていました。

 

SiCウエハは従来のSiウエハよりも対電圧特性に優れており、電力喪失を抑えられます。

 

効率的な電力利用が可能になるSiCウエハは、特に電気自動車分野において注目されている次世代素材です。

 

また、エネルギー産業においても、SiCウエハを取り入れた太陽光発電の開発が進められています。

 

多くの分野で活用が期待されており、市場規模も拡大していくと予測されているのがSiCウエハです。

 

SiCウエハの主な利用方法

SiCウエハは主にエネルギー産業と自動車産業で利用が進められています。

 

それぞれの分野で具体的にどのような形でSiCウエハが利用されているのか紹介しましょう。

 

エネルギー産業での利用

太陽光発電に欠かせないインバーターにSiCウエハの導入が進められています。

 

従来よりも変換効率を向上させ、エネルギー損失を大幅に削減できるからです。

 

今後はSiCウエハが太陽光発電や風力発電、PFC電源などの分野で拡大すると予測されています。

 

エネルギー産業を大幅に変えるほどの影響力がある素材がSiCウエハです。

 

自動車産業での利用

新エネルギー車用のパワーデバイス開発にSiCウエハを取り入れる動きが加速しています。

 

SiCウエハを使用することで、より高い電力密度を実現し、コンパクトな設計が可能になるからです。

 

SiCウエハを新エネルギー車の開発に活用することで、航続距離を長くすることができます。

 

より性能の高い新エネルギー車の開発のためにSiCウエハは重要な素材です。

 

SiCウエハが利用されている「SiCパワー半導体」とは

SiCパワー半導体とは、Si(ケイ素)とC(炭素)を主原料としたSiC(炭化ケイ素)を主な材料として作られた半導体です。

 

SiCパワー半導体の開発は1990年代から進められており、2014年には鉄道車両において実用化されました。

 

SiCパワー半導体は従来のパワー半導体よりも高性能で、様々な分野で注目されています。

 

SiCパワー半導体の特徴

SiCパワー半導体には以下の特徴があります。

 

  • 従来よりも高い電流や電圧、動作温度に耐えられる
  • エネルギー損失が少ない
  • エネルギー損失による発熱を抑える機構を小型化・簡略化でき、機器の小型化を実現できる
  • SiCパワー半導体を搭載した機器は一度の充電で走れる距離が長くなる

 

SiCパワー半導体は従来のパワー半導体よりも高い電流や電圧、動作温度に耐えられます。

 

また、電気抵抗の生じる部分の厚さを従来の1/10にできるため、エネルギー損失が少ない点も大きな特徴です。

 

エネルギー損失が少ないことで発熱を抑える放熱機構が小型・簡略化されるため、機器の小型化を実現できます。

 

SiCパワー半導体はエネルギー損失が少なく、機器の動作の効率性を向上できるのもメリットです。

 

新エネルギー車に導入すれば、一度の充電でより長い距離を走ることができます。

 

上記の特徴を活かすことでエネルギー産業や自動車産業での利用が促進するでしょう。

 

SiCパワー半導体の市場動向

2022年5月、富士経済はSiCパワー半導体の2022年の市場規模が1,206億円になる見込みであると発表しました。

 

出典:パワー半導体の世界市場を調査 | プレスリリース | 富士経済グループ

 

また、2030年にはSiCパワー半導体の市場規模は9,694億円になると予測しています。

 

脱炭素化に向けたEVや充電インフラの普及が進展し、SiCパワー半導体の需要も高まっています。

 

今後SiCパワー半導体の開発が進み、低価格化が実現すれば、さらにSiCパワー半導体が普及するとされています。

 

SiCパワー半導体は今後急速に市場規模を拡大していくでしょう。

 

SiCウエハの主な購入先

SiCウエハの仕入れルートは様々です。

 

例えば、SiCウエハを製造するメーカーから直接購入するルートがあるほか、AmazonなどでもSiCウエハを購入することが可能です。

 

また、国内でSiCウエハの販売を行っているメーカーとして、金沢機工株式会社がよく知られています。

 

金沢機工株式会社はパワーLSIやLED、光学部品などに使うSiCウエハの販売実績が豊富なメーカーです。

 

低価格でSiCウエハを提供しており、豊富なラインナップをそろえています。

 

下記のサイトから購入できますので、気になる方は確認してください。

SiCウエハ販売

 

また、費用相場については下記の記事で詳しく解説しています。

 

SiCウエハを購入する方法とは?手順や注意点も解説 | 金沢機工株式会社

 

まとめ

SiCウエハは新エネルギー車や太陽光発電など多くの機器で活用されている素材です。

 

SiCウエハ搭載のパワー半導体であれば、多くの機器をより高効率で小型化することができます。

 

SiCウエハの需要は今後ますます高まり、市場規模も拡大していくでしょう。

 

様々な産業で応用され、多くの問題を解決できると期待されているのがSiCウエハです。

 

今後もSiCウエハがどのように利用されていくのか注目していきましょう。

 


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