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SiCインゴットとは?特徴や製造プロセスも解説

2025.03.03

半導体事業

電気機器の制御や電力の変換などには、パワー半導体という半導体が使われます。

パワー半導体には以前「Si(ケイ素)」が使われていましたが、今注目されているのは「SiC(炭化ケイ素)」を使った半導体です。

今回の記事ではこのSiCの原料でもある「SiCインゴット」について詳しく解説していきます。

記事内ではSiCインゴットについて、以下のようなことを見ていきましょう。

 

  • SiCインゴットの特徴
  • SiCインゴットの製造方法
  • SiCインゴットの用途

 

記事を最後まで読んで頂くことで、SiCインゴットの特徴について詳しくなって頂けます。

 

SiCインゴットとは

SiCインゴットとは、炭化ケイ素を原料としたシリコンカーバイト結晶から成る塊状の材料のことです。

一般的なものは直径15㎝程度で5~10㎝程度の長さをした円柱状の形をしています。

以前まで使用されていたSi素材よりも耐久性も高く、高品質なので近年注目を集めている素材です。

 

SiCインゴットの特徴

 

SiCインゴットには様々な特性がありますが、以下の項目で順に見ていきましょう。

 

  • 高温耐性
  • 高電圧耐性
  • 高熱伝導性

 

それぞれ詳しく解説します。

 

高温耐性

SiCインゴットは、高温にも耐える耐久性があるのが1つ目の特徴です。

SiCインゴットを使った産業機器は以前まで一般的だったSi素材よりも高温に耐えられるようになっています。

その為、産業機器を長期にわたって品質を維持してくれるので、SiCは今注目されているのです。

 

高電圧耐性

SiCインゴットには従来から使用されているSiと比べ、10倍程度の高電圧耐性があります。

そのおかげで、高電圧の環境下でも使用することができ、使用出来る用途も広がっているのです。

 

高熱伝導性

SiCインゴットには高い熱伝導性があります。

様々な装置を動作させる際に機器内部の温度が上昇し過ぎてしまい、装置自体に負担をかけることもあるでしょう。

高温状態を防ぐために通常であれば、冷却部品などを使用します。

しかしSiCインゴットには高い熱伝導性があるので、これらの熱を放熱する特性も強いのです。

SiCインゴットを使用することで、装置の簡素化に役立ち製造コストを下げてくれるメリットも考えられます。

 

SiCインゴットの製造方法



SiCインゴットの製造方法には、大きく以下の3つの方法があります。

 

  • 物理的蒸気輸送(PVT)法
  • 液相エピタキシー(LPE)法
  • サブリメーション法

 

それぞれ簡単に、解説していきます。

 

物理的蒸気輸送(PVT)法

1つ目の方法は物理的蒸気輸送法です。PVT法とも呼ばれます。

物理的蒸気輸送(PVT)法は高温環境でSiCの粉末を蒸気化させて、その蒸気を冷却して結晶を成長させてインゴットを作る方法です。

大きなSiCインゴットを作る時に、有効な製造方法になります。

 

液相エピタキシー(LPE)法

2つ目の方法は液相エピタキシー法です。LPE法とも呼ばれます。

液相エピタキシー(LPE)法はSiCが溶かされた液相からSiCの結晶を成長させインゴットを作る方法です。

様々な単結晶が結合する為、より複雑な結晶構造のSiCインゴットを作ることができます。

 

サブリメーション法

3つ目の方法はサプリメーション法です。

サプリメーション法とは昇華菅の中でSiCを昇華させ、昇華と再結晶を利用してSiCインゴットを製造する方法です。

サプリメーション法でインゴットを作ることで、より純度が高いSiCインゴットの製造が可能になります。

 

SiCインゴットの用途

SiCインゴットは様々な分野で使用されていますが、主には以下のような分野で使われています。

 

  • 電力エレクトロニクス
  • 自動車産業
  • 再生可能エネルギー

 

SiCインゴットはSiと比べ、高電圧にも耐えることから、電力エレクトロニクス分野で有効活用されています。

また高温環境にも強いのがSiCインゴットの特徴なので、自動車産業でも注目の素材です。

さらには再生可能エネルギー分野でも、SiCインゴットの特性が生かされて今後広がりを見せるのではないかとされています。

このようにSiCインゴットは、現代社会のあらゆる局面で役立つ素材なのです。

 

 SiCインゴットの需要は高まる可能性が高い

 

前述してきた通りSiCインゴットの性能はSiと比べ非常に高く、今後もあらゆる分野で使用される可能性が高いです。

使用される分野が広がることで、SiCインゴットの需要はさらに伸びていくことでしょう。

SiCインゴットが積極的に取り入れられることで、さらなる技術革新も期待されます。

 

SiCインゴットが必要なら金沢機工にご相談を

というわけで今回はSiCインゴットとは、どんな素材なのかを詳しく解説してきました。

SiCインゴットは今需要が非常に高まっている、注目の素材です。

もしSiCインゴットの購入に興味があるのであれば、金沢機工にご相談ください。

金沢機工は最新のテクノロジーを融合させ、驚きを提供するサプライヤーとして研究開発に取り組んでいます。

SiCインゴットの製造に関しても深い知識と技術力があるため、より精度の高いSiCインゴットを購入することが可能でしょう。

SiCインゴットを自社の産業に取り入れて、さらなる業務の効率化を目指してみてください。

 


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