地球温暖化は大きな問題となっており、防止するための取り組みを検討する企業が増えています。
しかし、地球温暖化対策を実施するためには、原因を理解しておくことが必要です。
この記事では、地球温暖化の原因についてわかりやすく簡単に解説します。
地球温暖化とは
地球は太陽の光によって温められ、地上から熱を発しています。その熱は地球を覆う温室効果ガスによって吸収・再放射を繰り返し、気温を調整しています。
ところが産業革命以降、化石燃料の使用や森林破壊によって、現代の大気中の二酸化炭素濃度は当時に比べ約1.4倍になり、気温も上昇しています。
このような人間活動から排出される二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの増加によって、宇宙に放出されるはずの熱が地球にたまり、うまく気温調節ができなくなって温度が上昇する現象を「地球温暖化」といいます。
地球温暖化に伴う気温上昇は、地球全体にさまざまな影響を及ぼしています。
その一つが、気候変動です。平均気温の上昇をはじめ、これまでに海面上昇や降水量の変化などが確認されてきました。
さらには生態系にも影響を及ぼし、野生動物の絶滅や農作物の不作を引き起す原因となっています。
そして、私たちの生活にも、熱中症だけでなく感染症発生などの健康被害をもたらしています。
地球温暖化の主要な原因を簡単に解説
地球温暖化の原因は、温室効果ガスの増加です。
温室効果ガスの中でも、人間活動から排出される二酸化炭素が、地球温暖化の進行に大きな影響を与えています。
温室効果ガスが増加する主な原因として、以下の3つが考えられています。
- ・化石燃料の使用
- ・森林破壊
- ・工業化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
化石燃料の使用
石油や天然ガス、石炭などの化石燃料を燃やすことで、地球温暖化に影響を及ぼす二酸化炭素が排出されます。
私たちの生活に目を向けると、電気を作り出すことや、自動車を動かすためにガソリンを燃焼させることなどが、化石燃料の使用を指します。
その影響は大きく、過去20年間における大気中の二酸化炭素増加量のうち、4分の3以上は化石燃料を燃やすことによって増えたといわれています。
森林破壊
土地の利用や木材の調達のために森林が破壊されると、まずはその伐採作業で温室効果ガスが排出されます。
また伐採される樹木には、炭素の貯蔵や二酸化炭素の吸収という役割があります。
つまり、森林が破壊される場合、温室効果ガスの排出にはじまり、貯蔵された炭素の放出、二酸化炭素の放出といった地球温暖化への3つの悪影響が出てくるのです。
このような悪影響があるにも関わらず、毎年約1,200万ヘクタールの森林が破壊されています。
このような森林破壊は、世界の温室効果ガスが排出される原因の約4分の1 を占めているともいわれています。
工業化による温室効果ガスの増加
工業の占める割合が増えることを工業化といいます。
この工業化により、近代における企業活動のあり方は急激に変化しました。これまで手作業だった工程が機械に変わり、セメント、プラスチックなどを生産する際に大量の化石燃料が使用されるようになりました。
その結果、二酸化炭素などの温室効果ガスが増加し、地球温暖化が進行したのです。
地球温暖化への企業の影響と責任
地球温暖化は企業にもさまざまな影響を与えています。
ここでは、地球温暖化への企業の影響と責任について解説します。
企業活動と地球温暖化の関連性
日々の企業活動における製品の生産や加工、輸送や運搬などにより、温室効果ガスは常に排出されています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、世界の平均気温は産業革命以前(1850から1900年の基準)と比較して、2011年から2020年平均で1.09度上昇したと報告されています。
この数値から考えると、産業革命以降の企業活動が要因となって、地球温暖化が進んだといえるのではないでしょうか。
加えて、日本では、温室効果ガスのうち二酸化炭素排出量の約8割が企業・公共部門からであることが明らかとなっています。
環境負荷を軽減する企業の役割
企業ができる地球温暖化対策として考えられるのが、「自然エネルギーの利用を増やす」、あるいは「化石燃料の使用を減らす」といった2つの視点が重要です。
「自然エネルギーの利用を増やす」という視点では、太陽光パネルを設置し発電を実施したり、水流エネルギーや熱エネルギーの利用したりすることなどが挙げられます。
「化石燃料の使用を減らす」という視点で考えられることは、LED照明など交換回数が少ない物を使うことや、書類などを紙で保存するのではなく、データにしてクラウド上に保存することなどです。
その他にも、出張をWeb会議に変えることによって移動に伴う温室効果ガス排出を低減したり、廃棄物を処理する際に二酸化炭素排出の少ない炭素装置を利用したりすることなども考えられます。
こういった視点を持ち、実際に行動することにより、企業として地球温暖化問題に対し貢献していきましょう。
地球温暖化問題への対策が企業にもたらすメリット
- ・他社との差別化で売上や受注につながる
- ・再生紙やLED照明、太陽光発電による自然エネルギーを利用することによりコストが削減できる
- ・地球温暖化問題に積極的に取り組む企業は、国や自治体に表彰されたり、メディアに取り上げられたりする可能性が高まり知名度向上につながる
- ・環境意識が高い優秀な人材の確保につながる
- ・資金調達がしやすくなる
地球温暖化防止のための企業活動の事例

地球温暖化防止のために企業が行なっている活動を紹介します。
取り組みを検討している企業の方は参考にしてみてください。
サスティナビリティへコミットメントしている事例
サスティナビリティの取り組みとして、トヨタ自動車は「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表し、2050年までの長期目標を掲げています。
気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げています。
参考:https://global.toyota/jp/detail/9886860
CO2削減を目指す企業の取り組み事例
廃棄物は、ごみ焼却施設で焼却処分されるのが一般的です。
しかしB社では、廃棄物を処理するために炭化装置を導入し、炭化しています。
そして、炭化した際に発生した炭を有機性の資源として再利用に成功しました。
B社は、炭化装置を導入したことにより、通常の焼却処分で発生する二酸化炭素を削減できるとともに、廃棄物を炭として有効利用できています。
地球温暖化原因や対策の必要性を理解して取り組もう
地球温暖化の原因は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが増加することです。
増加した温室効果ガスの中で、もっとも二酸化炭素の割合が高いため、CO2削減に対する意識が社会全体で広がっています。
地球温暖化対策を行うことは、地球に優しいことはもちろん、他社との差別化やコスト削減、知名度向上、優秀な人材確保、資金調達につながる可能性もあります。
このように地球温暖化が及ぼす影響や、その対策を行うことのメリットを理解した上で、地球温暖化の原因となるCO2削減のために、何ができるかを考え、行動していきましょう。