この記事でわかること
SiC(炭化ケイ素)ウエハは、EV(電気自動車)や産業機器向けパワー半導体の材料として広く利用されています。
しかし、円形のウエハの状態ではまだ製品として使用することはできません。
パワー半導体として機能させるためには、SiCウエハにBG加工(バックグラインド)や再研磨、成膜加工、ダイシング加工など、さまざまな加工工程を施す必要があります。
本記事では、SiCウエハ加工の代表的な技術についてご紹介します。
BG加工(バックグラインド)

BG加工(Back Grinding)は、ウエハを研削し、所定の厚みまで薄くする加工です。
パワー半導体では、高効率化や高出力化が求められるため、SiCウエハの薄化は重要な工程の一つとなっています。
SiCウエハを薄くすることで、電流や熱が通る距離を短くできるため、性能向上につながります。
BG加工によって、
- 電力損失の低減
- 放熱性能の向上
- パッケージの薄型化
- 実装性の向上
といった効果が期待できます。
一方で、研削によって微細な加工ダメージが発生するため、後工程で再研磨を行い表面品質を整える場合があります。
再研磨
再研磨は、BG加工などで発生した加工ダメージを除去し、表面品質を改善するための加工です。

BG加工ではウエハを研削して薄くするため、表面には微細な傷や加工変質層が残る場合があります。
再研磨を行うことで、
- 表面粗さの改善
- 加工ダメージの低減
- 品質の安定化
が可能となります。
高品質なデバイス製造には欠かせない工程の一つです。
成膜加工
成膜加工は、SiCウエハ表面にさまざまな機能を持つ、薄膜を形成する加工です。

半導体製造では、電極や配線、保護膜などを形成するために、さまざまな材料の薄膜が利用されます。
代表的な成膜方法には、
- スパッタリング
- 真空蒸着
- CVD
などがあります。
代表的な成膜例
- 金属膜(Au、Ag、Cu、Ti、Ni など)
- 保護膜(PI(ポリイミド)など)
用途に応じて適切な材料や成膜方法を選択することで、求められる電気特性や耐久性を実現します。
ダイシング加工
ダイシング加工は、丸いウエハを個々の半導体チップへ切り分ける加工です。
ウエハ上には多数のデバイスが形成されていますが、製品として使用するためにはチップ単位に分割する必要があります。

一般的にはダイシングブレードによる切断が行われますが、高硬度材料であるSiCでは高精度な加工技術が求められます。
加工精度はチッピングや欠けの発生、さらには歩留まりにも大きく影響するため、重要な工程の一つです。
レーザー加工
レーザー加工は、レーザー光を利用してSiCウエハを加工する技術です。
SiCのような高硬度材料では、従来の機械加工だけでなく、レーザー技術が活用される場面も増えています。
レーザー加工には、
- ウエハ切り出し
- スクライブ加工
- 微細加工
- マーキング
などさまざまな用途があります。
また、四角形のチップへの切り出しだけでなく、丸形ウエハの切り出しなど複雑な形状加工にも対応できます。

高精度かつ非接触で加工できることが大きな特長です。
ダイシングブレードによる機械加工と比較して、加工幅(カーフロス)を抑えられるため、材料ロスの低減が期待できます。
まとめ
SiCウエハ加工では、BG加工、再研磨、成膜加工、ダイシング加工、レーザー加工など、用途に応じたさまざまな加工が施されます。
これらの加工は、パワー半導体の性能向上や品質確保に欠かせない工程です。
今後もSiC市場の拡大に伴い、高精度で高品質な加工技術へのニーズはますます高まっていくでしょう。
当社では、本記事でご紹介した各種SiCウエハ加工を承っております。
- BG加工(バックグラインド)
- 再研磨
- 成膜加工
- ダイシング加工
- レーザー加工
SiCウエハ加工に関するご相談やお見積りのご依頼は、お気軽にお問い合わせください。

