半導体製造に欠かせない「ウエハ」。
なかでも、SiCやGaNなどの化合物半導体は高性能な分、加工の難しさから品質のばらつきが課題となります。
そこで活躍するのが、ウエハの微細な特性を可視化する“ウエハ測定装置”です。
測定の精度が、そのまま製品の信頼性や歩留まりに直結するといっても過言ではありません。
本記事では、ウエハ測定装置の基本から、その重要性、市場トレンド、導入時の選定ポイントまでをわかりやすく解説します。
また、品質管理を重視した化合物半導体ウエハの調達先についてもご紹介します。
製造現場の安定性向上にお役立てください。
ウエハ測定装置とは?
ウエハ測定装置とは、半導体製造工程で使用される、シリコンウエハの表面状態や寸法などを測定する装置のことです。
「ウエハ測定装置」は、業界では「ウエハ検査装置」とも呼ばれ、主にウエハ表面の厚み・平坦度・異物・欠陥などを検出・測定するために使用されます。
半導体製造工程では「チェック係」のような役割を担っており、シリコンウエハの表面にゴミやキズがないか、厚みや平らさにムラがないかなどを細かく測定します。
洋服でたとえるなら、ウエハは半導体の土台となる大事な“生地”のようなもの。
この生地にわずかなゆがみや異物があれば、どれだけ丁寧に仕立てても、製品としての品質を満たすことはできません。
同様に、ウエハをきちんと測定できておらず、微細な欠陥があると、その上にどれだけ精密な部品を作っても、不具合が起きる原因になってしまいます。
だからこそ、ウエハ測定装置による検査は、製品の品質を守るために欠かせない工程のひとつなのです。
特にSiCやGaNといった化合物半導体は、加工や結晶成長が難しく、均一な品質の確保が課題とされており、測定による細やかな管理が重要視されます。
工程内で状態を正確に把握することで、不良の発生を未然に防ぎ、製品の信頼性と生産効率を高めることが可能になります。
なぜウエハ測定が重要なのか?
SiCやGaNといった化合物半導体は、構造が複雑で加工が難しいため、製造工程を安定させるには高精度な測定が不可欠です。
その理由を細かく解説します。
化合物半導体を測定することで安定した製造工程が実現
化合物半導体はシリコンとは異なる物理特性を持ち、加工や結晶成長が難しいことから、製品ごとの品質に差が生じやすい傾向があります。
こうした特性を踏まえると、ウエハの状態を高精度に測定し、寸法や表面の状態を正確に把握することが欠かせません。
測定結果をもとに工程条件を最適化することで、不良の発生を未然に防ぎ、安定した製造プロセスの構築につなげることができます。
ウエハ測定装置の市場シェア・導入トレンドを踏まえた選定ポイント
ウエハ検査装置の世界市場は、2025年には約9,200億円、2030年には約1兆3,600億円に達すると予測されており、年平均8%前後の成長が見込まれています。
中でも、アメリカのKLA社は業界トップのシェアを誇り、多くの大手半導体メーカーがその装置を採用しています。
とはいえ、中には「予算が限られており、コスパが良い装置が欲しい」「サポート体制の近いメーカーを選びたい」と考える方もいるのではないでしょうか。
ウエハ測定装置の導入を検討する際には、以下のようなポイントを意識することが重要です。
用途と要求仕様の明確化
ウエハ測定装置を選ぶ際にまず大切なのは、何を目的に測定するのか、どんな性能が必要なのかをはっきりさせることです。
「ウエハ表面のゴミやキズを検出したい」「厚みや平らさを細かく測定したい」といった目的によって、装置の種類や性能に求められる条件が変わってきます。
特に、SiCやGaNのような化合物半導体を扱う場合は、結晶の欠陥や微細な歪みの管理が重要になるため、より高精度な測定が求められます。
最初に使い方や測定項目を明確にしておくことで、現場に合った装置選びがしやすくなり、ムダなコストや手間も減らせるのです。
性能と信頼性の評価
装置の性能が十分かどうか、そして長期間安定して使えるかどうかも、選ぶうえでは見逃せないポイントになります。
測定の精度・スピード・繰り返しの正確さといった基本性能はもちろん、使っているときにトラブルが起きにくいか、修理や保守がしやすいかといった面も重要です。
メーカーの仕様書や実演(デモ)を確認したり、実際に導入している企業の声や実績を参考にしたりすることで、机上の数値だけでなく、現場での使いやすさも見えてきます。
信頼性の高い装置を選ぶことで、生産トラブルや検査の手戻りを防ぐことができ、安定した生産ができるようになります。
コストパフォーマンスの検討
ウエハ測定装置は高額な設備投資となるため、初期導入費用だけでなく、トータルでの費用対効果にも目を向けるようにしましょう。
たとえば、保守・点検の費用、部品の交換頻度、操作の手間、測定時間などが結果的に生産性に影響してきます。
最初は高く見えても、測定が早くて正確、トラブルが少ない、長く使えるといった装置は、長期的に考えるとコストパフォーマンスは優れていると言えるでしょう。
複数の項目を一度に測れるタイプや、自動化に対応しているモデルを選ぶと、作業効率が上がり、人手や時間の削減にもつながります。
測定精度がウエハ選定の分かれ道
ウエハの品質は、測定精度によって大きく左右されます。
高性能な測定装置で検査されたウエハは、安定した品質を保ちやすく、製品の信頼性向上にもつながります。
特にSiCやGaNなどの高価で繊細な素材を扱う場合は、出荷前の厳密な測定をクリアしたものを選ぶことが重要です。
検査装置を選ぶ際は、測定精度の高いものに注目して選びましょう。
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