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オゾン水生成機器とは?効果・使い方・選び方をわかりやすく解説

2025.10.10

半導体事業

近年、衛生管理や環境対策への意識の高まりとともに注目を集めているのが「オゾン水生成機器、オゾンガス生成機器」です。

 

薬品を使わずに高い除菌・脱臭効果を発揮するその特性から、さまざまな分野での活用が進んでいます。

 

本記事では、オゾン水生成機器の基本的な仕組みや特長、導入によるメリット・注意点について、わかりやすく解説します。

 

オゾン水生成機器とは?

オゾン水生成機器は、水と空気、あるいは酸素を原料に「オゾン水」を生成する装置です。

 

オゾンの持つ強力な酸化作用を利用し、微生物や有機物、臭気成分などを効果的に分解します。

 

食品・医療業界はもちろん、電子部品製造や半導体業界においても、精密な洗浄ニーズに応える技術として導入が進んでいます。

 

オゾン水の基本知識

オゾン水は、薬品を使用せずに高い除菌力・洗浄力を発揮することから、環境負荷の少ないクリーンな洗浄剤として評価されています。

 

特に製造業においては、「薬剤フリー」「残留ゼロ」という特性が重要視されているのです。

 

ここでは、オゾン水の基本特性と代表的な用途について簡潔に整理しておきます。

 

オゾン水とは?

 

オゾン(O₃)は、不安定な酸素分子で構成されており、強い酸化力を持っています。

 

これを水に溶解させたものが「オゾン水」です。

 

反応後は酸素(O₂)に戻るため、除菌・洗浄後に残留物を発生させません。

 

近年では、食品メーカーや医療現場、医療施設、美容サロン、水族館など様々な場所で導入が進んでいます。

 

オゾン水、オゾンガスの効果

 

オゾン水、オゾンガスには、以下のような効果があります。

 

除菌・殺菌効果:大腸菌やウイルスなど、各種微生物に対して即効性があり、薬剤耐性菌にも効果を示すことが報告されています。

 

消臭効果:悪臭成分を酸化分解し、臭いの発生源から取り除くのに効果的です。

 

農薬除去・食品洗浄:果物や野菜の表面洗浄だけでなく、機器表面のタンパク質・脂質の除去にも有効です。また、鮮度維持にも役に立ちます。

 

オゾン水生成機器の仕組み

オゾン水生成機器は、空気または酸素ガスをオゾンに変換し、それを水に溶解する構造を持っています。

 

構成・制御機能によって、生成されるオゾン水の濃度や出力量を調整できます。

 

そのため、用途に応じた柔軟な対応が可能です。

 

酸素または空気を原料にして「オゾンガス」を発生

 

オゾン生成の主な手法は「コロナ放電方式」です。

 

装置内部で電気放電を行い、空気中の酸素(O₂)をオゾン(O₃)へと変換します。

 

酸素供給源に純酸素を使用することで、より高濃度なオゾン生成が可能になります。

 

オゾンガスを水に溶かし、オゾン水として出力

 

生成されたオゾンガスは、加圧やバブリングにより水に溶け込み、オゾン水として出力されます。

 

溶解効率を高めるために、微細気泡やインジェクターを用いる機種も存在します。

 

オゾン水導入のメリット

オゾン水は「安全・低コスト・環境にやさしい」という点で高く評価されています。

 

衛生対策の手間を減らし、同時に持続可能な衛生管理を実現できるのが魅力です。

 

以下に、具体的なメリットを紹介します。

 

化学薬品不要で安全性が高い

 

オゾン水は生成直後に使用することで、薬品を一切使わずに優れた除菌・洗浄性能を発揮します。

 

廃液処理の手間や、薬品在庫管理の負担も軽減されます。

 

残留性がなく、環境にやさしい

 

オゾンは短時間で分解され酸素に戻るため、水や空気に残留しません。

 

そのため、洗浄後のすすぎが不要であり、節水にも貢献します。

 

消耗品が少なく、ランニングコストも抑えやすい

 

オゾン水は現場で必要な分だけ生成するため、ボトルで薬剤を仕入れる必要がありません。

 

設備投資以降のランニングコストは、電力と水道代(半導体洗浄の場合は、超純水)のみで非常に経済的です。

 

オゾン水活用のデメリット・注意点

便利な反面、オゾン水には特有の性質があるため、取り扱いには注意が必要です。

 

特に高濃度を扱う場合や、機器を長期運用する場合には、以下のような点に留意してください。

 

高濃度のオゾンは人体に有害な場合がある

 

オゾンは吸引すると呼吸器に刺激を与えるため、密閉空間での使用には十分な換気が必要です。

 

高濃度のガスが直接空気中に放出されないよう、密閉性の高い構造や十分な換気が必要です。

 

産業用モデルには、オゾン漏れ防止の安全機構を備えた製品もあります。

 

長期利用にはメンテナンスが必要

 

オゾンを生成する電極やフィルターなどは、定期的に清掃・交換が求められます。

 

機器を長く安全に使うためには、取扱説明書に沿ったメンテナンスが欠かせません。

 

使用後すぐに効果が消えるため「使い切り」が基本

 

オゾン水は生成後、時間の経過とともに急速に効果が薄れていきます。

 

そのため、作り置きには向いておらず、使用する直前に生成するのが望ましいです。

 

オゾン水生成機器の活用シーン

オゾン水は多用途に対応できるため、さまざまな現場で導入が進んでいます。

 

ここでは、代表的な使用シーンをご紹介しましょう。

 

食品メーカーや飲食店の調理器具・食材洗浄

 

食品表面の雑菌除去や、調理器具・まな板・包丁などの洗浄に活用され、衛生管理基準の強化に対応しています。

 

HACCP対応の現場でも高評価を得ています。

 

半導体産業

 

半導体ウェハの洗浄工程では、オゾン水が重要な役割を果たします。

 

金属イオンやパーティクルの除去、フォトレジストの剥離補助にも活用されており、歩留まり向上に貢献しています。

 

介護施設の手指・環境除菌

 

共用部分や手すり、車椅子など、多くの人が触れる場所を効率的に除菌できます。

 

化学薬品を使用しないため、皮膚への刺激も最小限です。

 

まとめ

オゾン水生成機器は、衛生管理・洗浄工程を薬品に頼らず実現するための有効な選択肢です。

 

特に半導体業界では、製品表面の微粒子除去や非接触洗浄において欠かせない存在となりつつあります。

 

自社工程への導入を検討されている場合は、詳細な仕様・用途別のご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

参考:https://www.kanazawakiko.shop/

 

金沢機工お問い合わせ先:https://www.kanazawakiko.jp/inquiry/

 

 


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