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おがくずの再利用方法方法と事例を徹底解説

2025.03.13

炭化装置

木材加工業から生じるおがくずは、多くの工場で廃棄物として扱われています。

 

しかし、このおがくずを再利用することで、環境保護とエネルギー効率の向上が図れることをご存知ですか。

 

この記事では、おがくずの再利用方法について詳しく解説します。

 

 

おがくずとは?

おがくずは、木材を切削する際に発生する細かい木片や粉状の副産物です。

 

一般的には廃棄物と見なされることが多いですが、実は多くの再利用方法があります。

 

さらに、おがくずは再生可能な資源であるため、化石燃料の使用量を減らし、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献しているのです。

 

おがくずの種類は、木材の種類や加工方法によって異なります。

 

例えば、針葉樹と広葉樹ではおがくずの性質が異なり、用途に合わせて使い分けられているのです。

 

針葉樹のおがくずは、柔らかく、保水性が高いため、畜産業の敷料や堆肥の原料として適しています。

 

一方、広葉樹のおがくずは、硬く、燃焼性が高いため、燃料用ペレットや炭化の原料として利用されることが多いのが特徴です。

 

おがくずの再利用に関する課題

おがくずの再利用は、環境保護と資源の有効活用において重要な役割を果たしますが、いくつかの課題も存在します。

 

その中でもとくに大きな問題が、おがくずの大量発生と、その処理です。

 

木材加工業界では日々膨大な量のおがくずが発生しており、これをいかに効率的に処理し、再利用につなげていくかが大きな課題となっています。

 

 

大量の発生と処理

 

木材加工業では大量のおがくずが発生します。

 

この大量の廃材を効率的に処理し、再利用するためのインフラや技術が求められているのです。

 

とくに、中小規模の工場では、おがくずの処理に必要な設備や人材が不足していることが多く、再利用の障壁となっています。

 

おがくずの再利用を促進するためには、地域での協力体制の構築が重要です。

 

木材加工業者、農家、畜産業者などが連携し、おがくずの収集、運搬、処理のシステムを確立することが求められます。

 

行政による支援措置も必要です。

 

例えば、おがくずの再利用に関する補助金の提供や、関連設備の導入に対する税制優遇などが考えられるでしょう。

 

これにより、中小規模の事業者でも、おがくずの再利用に取り組みやすくなります。

 

保管と運搬のコスト

おがくずはかさばりやすく、保管や運搬にはコストがかかります。

 

これらのコストを抑えるための効率的な方法が必要です。

 

そのためには、ペレット化や炭化することが有効でしょう。

 

ペレット化することで、おがくずの体積を減らし、運搬効率を高めることができます。

 

また、コスト面を考えると、ペレットや炭化物は付加価値の高い製品として販売できることも忘れてはいけません。

 

ちなみに、おがくずの保管では、水分管理が重要です。

 

湿気を帯びたおがくずは、カビが生えやすく、品質が低下します。

 

そのため、適切な乾燥と保管施設の整備が必要です。

 

屋根付きの保管施設は、通気性が良く、雨水の浸入を防ぐことができるため、おがくずを乾燥状態に保つのに効果的といえるでしょう。

 

 

おがくずの再利用の方法

おがくずには、さまざまな再利用方法があります。

 

以下に、代表的な方法を紹介していきましょう。

 

堆肥としての利用

 

おがくずは、堆肥の原料としても利用されます。

 

おがくずを他の有機物と混合し、発酵させることで栄養価の高い堆肥が作られます。

 

この堆肥を使用すれば、土壌の質は改善し、作物の生育を助けることも可能です。

 

さらにメリットがあります。

 

おがくず堆肥は、化学肥料の使用量を減らせるため、持続可能な農業の実現に貢献できるのです。

 

また、土壌の保水性を高められ、干ばつに強い農地づくりにも役立ちます。

 

ちなみに、良質なおがくず堆肥を製造するためには、適切な発酵管理が重要です。

 

おがくずに窒素源(家畜糞尿、食品残渣など)を混合し、適度な水分と空気を供給しなければなりません。

 

おがくず堆肥の発酵熱には殺菌効果が期待でき、土壌の病原菌やウィルスを死滅させる安全な堆肥としても利用可能です。

 

動物の敷料としての利用

 

おがくずは、動物の敷料としても使われます。

 

家畜の飼育場で床材として使用することで湿気を吸収し、衛生的な環境を保つことが可能です。

 

とくに馬や鶏の飼育において、広く利用されています。

 

また、家畜の健康維持に役立ち、質の高い畜産物の生産にもつながっているのです。

 

ただし、おがくず敷料の利用は適切な交換サイクルが重要です。

 

湿気を帯びたおがくずは、家畜の健康を損なう可能性があり、定期的な交換により、清潔な飼育環境を維持しなければなりません。

 

ちなみに、おがくず敷料は、アンモニア臭の発生を抑制する効果もあります。

燃料としての利用

おがくずの吸着作用によって悪臭の原因物質を吸収し、畜舎内の空気環境を改善します。

 

おがくずは、固形燃料として利用することができます。

 

圧縮してペレット状にすることで、エネルギー効率の高い燃料となります。

 

ペレットストーブやボイラーでの利用が一般的で、クリーンな燃焼として使用が可能です。

 

おがくずペレットは、化石燃料の代替として、温室効果ガスの排出量削減に貢献します。

 

また、おがくずペレットは輸送と保管が容易であり、エネルギーの地産地消にも適しています。

 

多くのメリットのあるおがくずペレットですが、製造工程で重要なのが原料の均一性です。

 

木材の種類や含水率を揃えることで、高品質なペレットが得られます。

 

ペレット製造設備への投資額は少なくないですが、長期的には燃料コストの削減につながるでしょう。

 

さらに、ペレットの販売により、新たな収益源となる可能性もあります。

炭にして活用

おがくずは、炭にして活用することも可能です。

 

おがくずを炭化させることで、木炭やバイオチャーが作られます。

 

これらは燃料としてだけでなく、土壌改良材や水質浄化材としても利用することが可能です。

 

とくにバイオチャーは、土壌の保水性や養分保持力を高める効果があります。

 

また、おがくず炭は、長期間土壌中に炭素を貯留し、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制する効果も期待されているのです。

 

おがくずの炭化では、適切な温度管理が重要になります。

 

高温で炭化することで、良質な木炭やバイオチャーが得られるからです。

 

また、炭化過程で発生する熱やガスを回収・利用することで、エネルギー効率を高めることもできます。

 

炭化装置への投資は大きいですが、高付加価値製品の製造により、投資回収が可能です。

 

おがくずの利活用の事例

おがくずの再利用は多様な分野で実施されています。

 

その具体的な事例をいくつか紹介していきましょう。

 

畜産業での敷料利用

畜産業では、おがくずを家畜の敷料として利用しています。

 

湿気を吸収し、衛生環境を維持するのに効果的だからです。

 

また、おがくずの需要は、畜産業界で高まっており、家畜の健康と生産性の向上に寄与し、持続可能な畜産業の発展を支えています。

 

さらに、使用済みのおがくず敷料は、堆肥として再利用され、資源の循環利用が促進されているのです。

 

北海道の酪農家では、おがくず敷料の利用が広く普及しています。

 

例えば、おがくず敷料によって乳牛の快適性を高め、乳房炎の予防にも役立ち、

さらに使用済みのおがくず敷料は堆肥化され、農地に還元されます。

 

これによって土壌の健全性が維持され、良質な飼料作物の生産につながり循環しているのです。

 

炭にして土壌改良材として農地で利用

 

おがくずを炭化させたバイオチャーは、農地の土壌改良材として利用されています。

 

これにより、土壌の保水性や肥沃度が向上し、持続可能な農業が推進されるのです。

 

バイオチャーは、化学肥料の使用量を減らすだけでなく、土壌中の炭素貯留を増加させ、気候変動の緩和にも役立っています。

 

おがくずバイオチャーの農地利用は、世界各地で実践され、その効果が実証済みです。

 

日本でも取り組みが注目されており、バイオチャーを製造・販売する事業が展開されています。

 

バイオチャーを活用した農業により、化学肥料の使用量削減と土壌の健全性向上が図られているのです。

 

さらに、バイオチャーは、その販売によって地域経済の活性化にも貢献しています。

 

 

おがくずの再利用なら金沢機工へお問い合わせを

おがくずは、持続可能なエネルギー資源として非常に有望な選択肢です。

 

金沢機工では、おがくずの導入や活用に関するご相談を承っております。

 

環境に配慮した設計で、操作性とメンテナンス性にも優れていますので、ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

 

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