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N型半導体とは?P型半導体との違いも解説

2025.02.25

半導体事業

N型半導体とP型半導体はどちらも半導体の一種ですが、電流の流し方がそれぞれ異なっている点が特徴です。

 

この記事ではN型半導体とP型半導体の概要や特性などについて解説しています。また、これらの半導体をどのように利用できるのかといった点についても取り上げているためぜひ参考にしてください。

 

N型半導体とは

N型半導体(n-type semiconductor)とは、電子が移動することによって電流を作り出す半導体の一種です。N型半導体はドーピングによって電子を多く持っている点が特徴だといえます。

 

ドーピングとは、リン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)と言った5価元素をシリコンのような半導体の材料に添加することによって、余分な自由電子を発生させるプロセスのことです。

 

ドーピングによって自由電子が+電極に引き寄せられることでて移動すると電流が流れます。N型半導体は、ものづくりの現場を中心に使用されているものです。

 

多くの電子デバイスに使われており、半導体技術の基礎を形成しているといえます。

 

また、後述するP型半導体と一緒に広く用いられている点も特徴です。

 

N型半導体の特性

ここではN型半導体の特性がどのようなものなのか解説します。特性を理解したうえで適切に活用できるようにしておきましょう。

 

電子が主要なキャリア

N型半導体は、電子が主要なキャリア、つまり電荷の運び手となっている点が特徴です。

 

電子が自由に移動できるような仕組みとなっているため、電圧をかけると半導体内の電子がプラス極側に移動し、電流が流れます。

 

負の電荷キャリア

N型半導体のキャリアは負の電荷を持つ電子でもあります。

 

これは、ドーパント原子と呼ばれる原子が余分な自由電子を提供するためです。このように負の電荷を持っていることから、負(negative)の頭文字を取って「N型」と呼ばれています。

 

導電性の向上

N型半導体は、ドーピングをすることによって導電性が向上する点も特徴として挙げられます。先ほども説明しているようにドーピングとは、リン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)といった5価元素を半導体の材料に添加することによって、余分な電子が発生するプロセスのことです。

 

導電性の高さもあり、純粋な半導体と比べても良い導体だといえるでしょう。

 

P型半導体とは

N型半導体と混同してしまいやすいものにP型半導体がありますが、両者は同じではありません。

P型半導体の特徴は、自由電子が存在しない点です。

 

ただし、「正孔(ホール)」という電子が抜け出した穴があるため、この穴に隣り合うように存在している+の電子が自由電子と似たような役割を果たしています。この正孔が電気の流れを促進している点がP型半導体の特徴だといえるでしょう。

 

P型半導体の特性

ここではP型半導体がどのような特性を持っているのか解説します。

 

半導体を自社製品に活用したいと考えている企業の担当者は、先ほどのN型半導体の特性と合わせて理解しておきましょう。 

 

ホールが主要なキャリア

先ほども説明しているように、P型半導体ではホールが電荷の主なキャリアです。このホールによって電流の流れを可能にしています。

 

正の電荷キャリア

P型半導体のキャリアは、ホールの中でも正の電荷を持つホールとなっています。これは、ドーパント原子と呼ばれる原子が電子のホールを作り出すためです。

 

電子とホールの相互作用

電子とホールには相互作用がある点も特性といえるでしょう。P型半導体では、電子がホールに入ることによって、新たなホールが隣接する位置に発生します。

 

このプロセスが繰り返し行われることによって電流が流れるという仕組みです。

 

N型半導体の利用方法

N型半導体は、幅広い電子デバイスの基本的な要素として使用されるものです。

 

例えば、トランジスタやダイオード、集積回路などにはN型半導体が必要不可欠だといえます。

 

なお、これらのデバイスは、基本的にN型とP型半導体の組み合わせで構成されている点が特徴です。

 

N型半導体とP型半導体に使用されているSiCウエハが必要なら金沢機工へ

今回は、N型半導体とP型半導体の概要や特性、さらには利用方法などについて解説しました。

 

N型半導体は、電子の移動によって電流を作り出す半導体の一種であり、P型半導体は「正孔(ホール)」という穴に隣り合うように存在している+の電子によって電流を流している半導体の一種です。

 

それぞれに異なる特徴がありますが、N型半導体とP型半導体が一緒に使われているデバイスも少なくありません。

 

今回の内容を参考に、それぞれの半導体がどのようなもので、どういった特性があるのか理解しておきましょう。 

 

ちなみに、N型半導体にもP型半導体にもSiCウエハと呼ばれる材料が使用されています。SiCウエハは、内部に絶縁層を挟みこんでいるため、低消費電力化につなげることもできる優れた材

料です。

 

金沢機工では、このSiCを取り扱っているため、興味のある方はぜひお問い合わせください。

 

 


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