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転位欠陥とは何?SiCウエハと転位欠陥について詳しく解説

2025.02.17

半導体事業

SiCウエハを製造する際に取り上げられる課題の一つが、転位欠陥です。

転位欠陥が起こってしまうと、SiCウエハの品質低下につながります。

SiCウエハの製造では、転位欠陥を防ぐことが課題です。

 

本記事では転位欠陥とはどんな現象であるか詳しく解説し、あわせてSiCウエハを活用した半導体の特徴を紹介します。

本記事を最後まで読むと、SiCウエハと転位欠陥について理解が深まります。

半導体やSiCウエハに興味のある方はぜひ参考にしてください。

 

転位欠陥とは?

転位欠陥とは、結晶構造の原子配列がずれて線状になっている結晶欠陥のことです。

SiCウエハの構造はケイ素と炭素の結晶で構成されています。

この結晶の原子構造は外部からの圧力が加わることで結晶内部にずれが生じ、欠陥が発生します。

結晶構造にずれが生じると、原子配列が本来の配列ではなくなるため、SiCウエハの品質低下につながります。

 

SiCウエハと転位欠陥

SiCウエハを製造する際は転位欠陥を防ぐことが重要です。

結晶配列が崩れてしまうと物質本来の特徴を壊してしまうため、できるだけ転位欠陥のない製品を作ることがSiCウエハの製品精度向上につながります。

しかし現在の技術では、完全に転位のない物質の製造は困難といわれています。

完全に転位を防ぐことは困難ですが、転位の動きをできる限り抑えることは可能です。

高品質なSiCウエハは特殊な技術により、できる限り転位欠陥を抑えて製造されています。

 

SiCウエハをパワー半導体に活用するメリットとは?

金沢機工が製造しているSiCウエハは転移欠陥を抑えた品質の高さが特徴です。

品質の高いSiCウエハはパワー半導体に活用されます。

SiCウエハをパワー半導体に活用すると、下記のようなメリットがあります。

 

  • 耐圧性能が高まる
  • 耐熱性脳が高まる
  • 動作速度が高まる

 

それぞれどんなメリットなのか、簡単に解説していきます。

 

耐圧性能が高まる

SiCウエハを活用してパワー半導体を製造すると、高電圧にも耐えられる半導体の製造が可能です。

SiCウエハは高い電圧容量が特徴です。

具体的にはSiCウエハを利用したスイッチは、従来のシリコンスイッチと比較して最大で10倍も高い電圧に耐えられます。

 

耐熱性能が高まる

SiCウエハを導入すると、製品の耐熱性能が高まるのもメリットです。

SiCウエハは高温でも安定して動作し、熱伝導率が高く、不要な熱を外部に放出する性能に優れている特徴があります。

高温下での作業でもSiCウエハを活用した半導体であれば、性能が落ちにくくなるため効率的に作業を進められます。

 

動作速度が高まる

SiCウエハを使って半導体を製造すると、製品の動作速度向上につながります。

SiCウエハは電気抵抗の生じる部分の厚さを従来の1/10にでき、エネルギー損失が少ない点も大きな特徴です。

エネルギー損失が少ないことは、製品の動作速度の向上に役立ちます。

また、放熱機構が小型化することで、製品自体の小型化も可能です。

 

SiCウエハを使用した半導体の今後の需要は?

 

SiCウエハを取り入れたパワー半導体の需要は、今後ますます高まると予想されています。

具体的には下記のような場面での活用が考えられるでしょう。

 

電気自動車などへの活用

 

SiCウエハを取り入れたパワー半導体は、電気自動車のパーツに使われます。

電気自動車は今後世界中で広がっていく新しい技術です。

電気自動車の普及にともない、SiCウエハの需要は高まるでしょう。

 

太陽光発電などの発電機器への活用

 

SiCウエハを取り入れたパワー半導体は、太陽光発電などの発電機器に多く使われています。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、世界中で利用拡大への取り組みが強化されています。

太陽光発電の拡大とともに、SiCウエハの需要も高まるといえるでしょう。

 

ロボットや工作機械への導入

 

SiCウエハを使ったパワー半導体は、ロボットや工作機械への導入も進められています。

日本では人口減少にともなう労働力不足が懸念されており、労働力としてのロボットの普及が予想されます。

ロボットのモーター制御には半導体が使われており、ここでもSiCウエハの活用が見込まれるでしょう。

 

データセンターなどでの活用

 

パワー半導体はデータセンターの電力消費削減に効果的です。

データセンターではコンピューターやサーバーが数多く稼働しており、膨大な電力を消費します。

電力設備の半導体の熱効率を改善すると、消費電力の削減につながります。

よって、SiCウエハを取り入れたパワー半導体は世界中のデータセンターで導入が進んでいます。

 

SiCウエハと転位欠陥のまとめ

今回は転位欠陥について、SiCウエハとどのように関連するのかについて詳しく解説してきました。

SiCウエハはできるだけ転位欠陥が少ない高品質なものを選ぶことが重要です。

SiCウエハを使用したパワー半導体は、今後ますます需要が拡大していくと予想されます。

高品質なSiCウエハを導入したい方は、金沢機工に気軽に相談してみましょう。

SiCウエハを製造する際に取り上げられる課題の一つが、転位欠陥です。

転位欠陥が起こってしまうと、SiCウエハの品質低下につながります。

SiCウエハの製造では、転位欠陥を防ぐことが課題です。

 

本記事では転位欠陥とはどんな現象であるか詳しく解説し、あわせてSiCウエハを活用した半導体の特徴を紹介します。

本記事を最後まで読むと、SiCウエハと転位欠陥について理解が深まります。

半導体やSiCウエハに興味のある方はぜひ参考にしてください。

 


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