金沢機工株式会社
コラム

コラム

ガス化炉とは?メリット・デメリットを徹底解説

2024.03.18

炭化装置

ガス化炉は、合成ガスを生成できる装置です。

 

さまざまな固体燃料をエネルギー源に変える仕組みになっており、環境問題への解決にも繋げられると注目を集めています。

 

しかし、実際にガス化炉を導入することで、どのようなメリットやデメリットが生じるのか分からないと疑問を抱く方も多いです。

 

そこで、この記事ではそもそもガス化炉とはどのような装置なのかや、導入するメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。

 

ガス化炉の導入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

ガス化炉とは

ガス化炉とは、「固定燃料(バイオマスや石炭など)を一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスへ変換する装置」です。

 

この技術を用いることにより、従来の燃焼方法に比べてCO2(二酸化炭素)の排出を削減したり、資源のリサイクルを促すことができるため、環境問題への解決に繋がると期待されています。

 

ちなみに、この装置を使用して生成された合成ガスは、エネルギー源として利用されている他にも化学製品、合成燃料などの原料としても活用されています。

 

単なる燃料としてしか見られていなかった都市ゴミや産業廃棄物も、ガス化炉技術が登場したことによって重要な資源として評価されるようになり、持続可能な循環型社会の構築に大きく貢献しているのです。

 

ガス化炉の仕組み

 ガス化炉は、「石炭やバイオマスなどの固定燃料を高温下で酸素や水蒸気と反応させて合成ガスを生成する」仕組みです。

 

この反応は、燃料が完全に燃焼しない不完全燃料の状態で行われており、燃料のガス化と酸化を同時に進めることで、非常に効率よくエネルギーを引き出すことができます。

 

例えば、バイオマスを使用したガス化炉の中には合成ガスを生成し、それを直接ガスタービンに導入して発電することが可能です。

 

そのため、従来の化石燃料に頼る必要がなく、クリーンなエネルギーを提供することができます。

 

ガス化炉の種類

 一口にガス化炉といっても、さまざまな種類があります。

 

ここでは、ガス化炉の2つの種類について解説していくので、導入する装置を検討する際の参考にしてみてください。

 

移動床式ガス化炉 

移動床式ガス化炉とは、その名の通り「床を移動しながら反応が進むタイプのガス化炉」のことを指します。

 

燃料を重力に従ってゆっくり移動させながら、固定燃料と酸素・水蒸気を化学反応させる装置となっており、比較的シンプルな構造になっているため、大型化しやすいのが特徴です。

 

移動床式ガス化炉は、既存の石灰焼成炉などでの化石燃料を使用する過程を代替することも可能になっているため、環境負荷の軽減と燃料コストを削減することを期待できます。

 

流動床式ガス化炉

 

流動床式ガス化炉とは、「燃料と反応ガスが同じ方向に流れていく方式の装置」のことです。

 

この装置は、燃料の長期滞在を維持して流動しながら攪拌しているため、質の悪い燃料でも低温で合成ガスに変換することができます。

 

また、熱分解やガス化も安定して行えるため、持続的にエネルギー源を捻出することが可能です。

 

 

ガス化炉のメリット

 

ガス化炉を導入することで、環境負荷の軽減に繋げたり、固定燃料をエネルギーとして利用できるなど、さまざまなメリットを得ることができます。

 

ここでは、ガス化炉を導入することで生じる主なメリットについて解説していくので、導入を検討する際の参考にしてみてください。

 

多様な燃料を利用可能

 

ガス化炉を導入することで、多種多様な固定燃料をエネルギー源として利用することが可能です。

 

具体的には、バイオマス・産業廃棄物・生ごみ・建築廃材・石炭などの幅広い燃料をガス化炉で処理することでエネルギー源(合成ガス)に変えることにができるため、燃料に困ることなく安定してエネルギーを抽出できます。

 

建築廃材や生ごみなどの廃棄物を固定燃料として活用できると、廃棄物量を削減することができ地域経済の活性化にもつながるため、環境や地域にとっても大きな利点と言えるでしょう。

 

高効率

 

非常に効率よくエネルギーを抽出できる点も、ガス化炉を活用する利点の1つです。

 

例えば、バイオマスを燃料とした場合を例に見ていきましょう。

 

バイオマスを約1,000度の高温下・不完全燃焼状態で燃焼する仕組みになっており、燃焼効率が高いため、短時間で合成ガスを生成することが可能です。

 

再生可能エネルギーの中には、天候などの自然条件に左右されエネルギーを生成するまでに時間がかかるものもあるため、ガス化炉はこ非常に安定したエネルギー供給ができる設備だと言えます。 

 

なお、バイオマス燃料については下記の記事で解説しています。

バイオマス燃料とは?種類や利用事例を紹介

環境負荷の低減

 

ガス化炉を活用した場合、環境負荷の低減に繋げることができます。

 

この技術は、排出ガスの量を低減することができるためです。

 

例えば、木材チップなどのバイオマスをガス化した場合、バイオマスは成長過程で光合成によりCO2(二酸化炭素)を固定化しているため、ガス化炉で燃焼してもCO2(二酸化炭素)を排出することなく地球に優しいエネルギーを生成します。

 

このように、ガス化炉は環境を汚染する排出ガスを軽減できる技術となっているため、環境問題の解決に繋げることを期待できるでしょう。

 

ガス化炉のデメリット

 

ガス化炉は、環境負荷の低減や高効率でエネルギーを抽出できるなどのプラスのメリットが数多くあります。

 

しかし、環境などにも良い影響を与えるガス化炉にもデメリットが存在するため、導入をする前に知っておくことが重要です。

 

ここでは、ガス化炉を導入することで生じるデメリットについて解説していくので、事前に理解しておくようにしましょう。

 

初期投資が高い

 

ガス化炉を導入する最大のデメリットは、初期投資が高い点です。

 

ガス化炉にはさまざまな固定燃料をエネルギー源に変換するために高度な技術が施されているため、設備を導入する際にまとまった費用が発生します。

 

また、導入後もメンテナンスなどのランニングコストが発生するため、導入をする際にかかる初期費用やランニングコストを把握しておくことが重要です。

 

事前にこれらのコストを把握しておくことで、費用対効果を検証できるため、経営自体に悪影響を及ぼすリスクを減らせます。

 

維持管理の難しさ

 

ガス化炉を導入する際のデメリットの1つとして、維持管理の難しさが挙げられます。

 

設備を運用するためにはガス化炉に関する専門的な知識が必要となるため、知識や経験を保有している技術者の確保が欠かせません。

 

例えば、固定燃料から抽出したガスは、ガス冷却塔を使用して供給可能な温度まで冷却する必要があります。

 

また、稼働中の監視やトラブル発生時の対応なども必要となるため、ガス化炉を導入する際は、事前に自社で行うのか外部に委託するのかを検討しておくと良いでしょう。

 

一部燃料は前処理が必要

 

ガス化炉で使用する燃料によっては、前処理が必要となります。

 

例えば、木質バイオマスと呼ばれる建築廃材や木材などの燃料する場合などです。

 

これらの燃料は、薪にしたりチップのように細かくするなどの処理を行う必要があるため、前処理をするためのコストが重くのしかかるかもしれません。

 

また、前処理をしてからの変換となるため、余分な工程が増えることでエネルギー源を確保するまでに手間と時間がかかる可能性があります。

 

したがって、ガス化炉を導入する際は、どの燃料が前処理を行う必要があるのかや、前処理にかかるコストがどのくらいなのかを把握しておくようにしましょう。

 

ガス化炉の今後の展望

 

ガス化炉の技術は、将来的に再生可能エネルギーの促進や環境問題の解決策という観点から、より一層注目されていくでしょう。

 

特にバイオマスなどの再生可能な燃料は、持続的に生産ができるうえに環境にも優しく経済的な利点も多くあるため、この燃料を利用したガス化炉の研究・開発が活発に行われています。

 

バイオマスを使用したガス化炉の技術が確立すれば、資源を有効活用でき地域の活性化や地球温暖化問題の解決につながりやすくなるため、さらにガス化炉の需要が高まっていくことを期待できるでしょう。

 

ガス化炉を導入して環境問題を解決しよう!

 

ガス化炉は、CO2(二酸化炭素)の排出を削減したり、資源のリサイクルを促すことができるため、環境問題の解決に繋がる有効的な手段の1つです。

 

近年、バイオマス燃料を利用したガス化炉の研究や開発が進められているため、将来的にさらに注目を集めていく技術になることが予測されます。

 

ガス化炉技術が進化することで、環境問題の改善だけでなく企業のコスト削減にも大きく貢献することを期待できるでしょう。

 

なお、カーボンニュートラルの目標達成やコスト削減などに興味がある方は、金沢機工までご相談ください。

 

 


page
top